2008.07.23 WED
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■広報レポート <黒も緑も、頼もしい>

始球式をする天海さん

 6月8日以来の1軍マウンドに立った藤井秀悟は、鎌ケ谷・ファイターズタウンでの日々を勲章にしていた。彼のロッカー側面には、今月20,21日にファイターズ鎌ケ谷スタジアムで開催された、鎌スタ☆祭の限定ユニフォームが皆に見えるように掲げられている。実際の試合で着用したという背番号18のグリーンジャージーは、1ヵ月半のファーム生活を力の源にしようという、藤井の強い姿勢が示されているようだった。

 7月21日、1軍昇格の一報を受け空路札幌へ向かった藤井。新千歳空港に到着した午後9時過ぎ、ファイターズメンバーは札幌市内で稲葉、武田久の記録達成祝いとダルビッシュ五輪出場壮行会を兼ねた食事会を開いていた。宴も終わりに近づいたころ、司会役の森本がマイクを握りなおした。「間もなく、藤井さんがこちらに到着しますので、皆さん盛大に迎えましょう。」ほどなくして、藤井が会場の扉を開けた。白いTシャツが、真っ黒に日焼けした顔を更に際立たせていた。「遅れてすみません!」席にもつかず、宴の主役たちに握手をもとめ歩きまわる。ダルビッシュは、先輩からの激励にいたく恐縮していた。「真っ黒だな、お前!」と冷やかす仲間たちに、「また明日から、宜しくお願いします」と一人、一人に頭を下げた藤井。日焼けの顔に映える白い歯を見せた満面の笑顔が、1軍登板へ準備万端のサインだった。

 6回3失点と、先発投手としての役割は果たした。ボールのキレも、ファームに行く前と比べずい分良くなったと、手ごたえを感じたに違いない。しかし、満足することはなかった。「大事な場面で、あとひとふんばり出来なかったことが悔しいです」と、反省の弁を繰り返した。「WE LOVE HOKKAIDOの黒いユニフォームは凄く恰好いいですね。でも、鎌ケ谷の緑ユニフォームで投げたら、もっと力が出たかな。」かつてスワローズのエースとしてチームを牽引した左腕は、炎天下での2軍トレーニングと、決して偉ぶらない謙虚な姿勢をどんなときも忘れない。今のファイターズを芝生に例えるなら、ちょっと水分を失いかけた元気のない薄緑か。そこに潤いを与え、再び鎌ケ谷限定ユニフォームのような鮮やかな緑色に蘇らせるのは、藤井秀悟の意地の投球、と願いたい。

藤井投手 <6回0/3、打者27、球数103、安打8、四球1、三振4、失点3、自責点3>

先発で登板

「(久しぶりの札幌ドームでの投球に)緊張というより、何としてもやってやろうという気持ちでマウンドに上がりました。テンポよく投げられたと思いますが、ちょっと全体的に球が高く、長打を打たれてしまいました。追いついてもらったのに、ここぞという時にもうひとふんばり出来なかったのが、悔いが残ります。ただ、スペシャルユニフォームで、大勢の皆様の前で投げることが出来たのは気持ちが良かったです。」

■梨田語録

女優の天海さんと握手

「今日は久しぶりに藤井が先発しました。テンポが良くボールにキレもあり低めにコントロールされて良かったんですけど、90球過ぎてから高めに浮いたところを痛打されましたが、オリンピックでダルビッシュが抜ける穴を埋めてくれると期待します。今日もチャンスで後一本が出なくて、藤井が好投していただけに悪かったですね。稲葉も痛みと相談しながら出てくれているし…。ファイターズの野球である全員野球で明日からも頑張ります。」

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