2008.08.14 THU
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■広報レポート <みんな、あきらめていない>

好投した藤井投手

 4時間を超える長い試合の先に、勝利の女神は待っていなかった。5連敗。これで4位・バファローズに1.5ゲーム差と肉薄された。じっと目を閉じ、「勝つというのは、簡単ではないんですね…」とつぶやいた森本が、皆の気持ちを代弁していた。

 先発の藤井は8回を投げぬき、1点も許さない完璧の投球だった。度々訪れたピンチも、集中力を切らすことなく乗り越えた。イニング間に数度、ロッカーに引き上げてきたが、視線は1点を見つめたまま。周囲の者が声をかけるのをためらうほどの気迫を漂わせていた。好投が白星という形で報われなかったが、いつもながらに彼の口からは不平、不満が一切出てこない。今シーズン、藤井は何度となく似たようなケースを経験している。しかし、その姿勢は常に変わることがなかった。仲間を何よりも大切にするという、藤井らしさが負けたときほど伝わってくる。「いつも大事な試合と思って投げていますが、連敗中だったので、もうひとつ大事に思って投げました」と、チームへの思いが気迫の源だった。「出だしからすべてを出し切ろうと、悔いのないよう、思い切り腕を振っていきました」と、登板後、笑顔すら見せた藤井。勝たせてやりたかった。

 打線は、藤井を援護したいという気持ちが逆に硬さを生み、空回りした。普段、難なくこなせるはずの送りバントすら思うように成功しない。自分の一本で展開が変わると意識すればするほど、冷静さが失われるのか。勝ちたくないと思っている選手など、一人もいない。「平日なのに、沢山の人たちが来てくれたね」とスウィーニーが話していたが、苦い試合ほどファンの方々の声援が染み入るものだ。試合結果に左右されず、ゲームセットのあとにいつもバットを振る紺田や鶴岡は、やはり今日も特打で汗を流していた。皆の行動は変わらないが、やはりロッカーで交わされる言葉は少ない。

 いつかはこの連敗からも脱出できる…そう思って普段通りの力をだせばいい。明日が終れば、また遠征に出なければならない。短い夏の、更につかの間の北海道。何とかひとつ勝って、弾みをつけたい。

■藤井投手 <8回、打者33、球数104、安打6、三振1、四死球3、失点0、自責点0>

8回のピンチを凌ぎ高橋捕手とタッチする藤井投手

「出だしから、すべてを出し切るつもりで悔いのないよう思い切って腕を振っていきました。調子はずっと維持していています。いつも大事な試合だと思って投げていますが、その中で連敗中ですからもうひとつ大事に思って投げました。あとはサヨナラのときに出遅れないよう、しっかり準備しておきます。」

■梨田語録

試合を見つめる梨田監督

「先発藤井は、テンポ・コントロールとも一番良かったのに打線が援護してあげられなくて非常に残念です。チャンスでバントの失敗など有ったが失敗を誰かがカバーしてあげてほしいですね。久ぶりに札幌に帰ってきてファンの皆さんの大声援に応えようと逆に硬くなっているのかな…!!11連戦での5連敗で勝率も5割になりましたが、明日からファイターズの野球で勝って行くよう頑張ります。」

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