2008.09.03 WED
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■広報レポート <鳥の日>

笑顔でナインとハイタッチする糸井選手

 長打力不足に苦しむファイターズが珍しく一発攻勢で先制し、追い風はファイターズに吹いているかに思えた。しかし、31イニングス連続無得点で沈黙が続いていたホークスが松中の本塁打で息を吹き返すと、鷹が上昇気流に乗るように一気に羽を広げた。7回表。ボールが高めに浮き出したファイターズ武田勝の失投を逃すことなく、4本の長短打で試合をひっくり返した。混戦のクライマックスシリーズ進出争いを勝ち抜くためには、ファイターズにとってあまりに手痛い逆転負けとなった。

 武田勝の立ち上がりは、上々だった。5回までは松中の内野安打と松田の左前打を許しただけの、完全に武田勝ペースの内容。序盤から、いつもより変化球を多めに使った高橋のリードも冴えた。しかし、ストレートの割合が少なかった分、武田勝の生命線であるチェンジアップへの影響を厚澤投手コーチが懸念していた。折り返し地点の6回、風向きが変わった。好投左腕のボールの勢いが若干緩みはじめたところで、それまでの規則正しい投球リズムが狂い始める。松中の本塁打で流れを変えたホークスがそのまま勢いづき、最後は9番・高谷に2塁打を浴びて、武田勝はマウンドを譲った。球数わずか85での降板。不本意な結果に終った武田勝は、「前半は自分のピッチングが出来ていただけに、本当に残念だし申し訳ないです」と悔しがった。しかし自責点3は先発投手としての役割を十分に果たしたことを表しており、決して彼の投球が責められるべきではない。

 打線は、大事な場面での繋がりを欠いた。4回、5回と、四球がらみで相手から与えられた絶好の得点チャンスをことごとくモノに出来なかった。最終回は2つの四球とワイルドピッチで2死1,3塁と一打同点のチャンス。しかし、1,2塁間をすり抜けたと思われたボッツの打球はセカンド・本多の好守に阻まれゲームセット。ロッカーに引き上げてきたボッツは、「抜けたと思ったのに…」とだけポツリと発し、後は黙りこんだ。重苦しい雰囲気が、ロッカーを占拠した。

 1977年9月3日、今から31年前の今日、王貞治・現ホークス監督が、後楽園球場で世界記録となる756本目の本塁打を放った。フラミンゴ打法が世界を制した記念日だ。フラミンゴと鷹。9月3日は、羽のある者に縁がある日なのだろうか。羽のないファイターズにとって空中戦は苦手だが、少ない好機を確実に生かすような、「風の読み」は得意なはずだ。一発に頼らない、地道な攻撃で勝つしかないということがはっきりした。明日こそファイターズらしい姿勢を貫き、追い風を呼び込みたい。鷹の次は、鷲が待っているのだから。

■武田勝投手 <6回1/3、打者27、球数85、安打7、四死球2、失点3、自責点3>

渋い表情の武田勝投手

「もったいないことをしたし、本当に申し訳ない気持ちで一杯です。自分でどこか、左バッターに打たれてはいけないという気持ちが強すぎ、それが力みに変わってしまったのかもしれません。5回以降は球が高めに浮いてしまいましたが、それまではコントロールが定まり、いいペースで投げていたと思います。それだけに残念です。」

■梨田語録

先制HRの稲葉選手を迎える

「序盤稲葉・糸井の本塁打で先制し、試合の流れをつかんだかに見えた試合展開でしたが、それ以降チャンスが有りながら得点出来なかったのが、勝敗を分けましたね…。H先発新垣はそれほど良い状態では無かったと思いますが、荒れ球に最後まで的を絞り切れませんでした。残り22試合、ファイターズらしい『最後まで諦めない!!』野球に集中するのみです!!」

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