2008.09.21 SUN
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■広報レポート <自らの手で>

 先制した直後の3回裏、後藤の3ランで4点差をつけられたときは、早くも敗戦ムードが立ち込めたと誰もが思った。しかし、昨日の試合でリーグ3連覇を逃した屈辱を力に変えたファイターズが、22安打の猛攻で意地を見せつけ逆転勝利。クライマックスシリーズ2位進出に、再び望みをつなげる大きな1勝となった。

 序盤。つながらない打線に、もどかしさだけがファイターズベンチを支配した。1回、2回と得点圏にランナーを進めながら後続が凡退。3回は糸井の2塁打で1点を奪ったものの、チャンスの続いた2死2,3塁では無得点に終った。4回は無死1,2塁から田中が犠牲バントを試みたが決められず、2ストライク後にサインは強攻策へ切り替わった。しかし、結果は浅いライトフライに終わり作戦は裏目に。今にも崩れそうなBs金子から9安打を浴びせながら、奪った得点は、わずか2点。得意だった繋ぎの野球が実践できない、今季のファイターズを象徴する攻めが続くかに見えた。

 ところが、6回に状況は一変。先頭の田中賢が左前打で出塁すると、森本四球、稲葉、高橋の連続安打で1点差。6番・糸井の代打で登場したボッツのタイムリーで一気に同点に追いつくと、途中出場の小谷野が逆転の左翼線2塁打を放ち、流れは完全にファイターズが握った。「今まで代打で全く仕事が出来ていなかったから、何としても打ちたいと気合が入った」と、昨日2安打しながらスタメン落ちしたボッツは、そ
の悔しさをも晴らす一打になった。

 先発・多田野の不調を受けて登板し、チームを再び軌道に乗せた中継ぎ陣の活躍も際立つ。劣勢で坂元が登板すると、不思議とチームが逆転することが多い。今日もその例に漏れることはなかった。3回を投げ、1安打無失点の完璧な内容で6勝目をマーク。「これ以上の失点は出来ないと、流れを変えるためテンポよく投げることを心がけた」と、澱んだ空気を浄化する術を心得ているかのような頼もしいコメントを残した。坂元に続いて建山、マイケルも好投。猛牛打線を完全に沈黙させた。

 2年連続で横綱の座を守った誇りを忘れなかったファイターズが、土俵際で踏ん張った。試合前は選手たちのみで自主的にミーティングを開き、最後まで結束を保つことを確認した。自らの手で勝利をつかんだナイン。次の遠征地、福岡へ向かう彼らの表情は、久しぶりに明るかった。

■多田野投手 <3回、打者16、球数64、安打5、四球2、三振1、失点5、自責点5>

「点をとられたのは仕方ないが、とられ過ぎです。あそこは最低でも2点に留めておかねばなりませんでした。後藤選手のホームランは狙ったところにボールが行きましたので、相手打者がうまく打ったということだと思います。」

■梨田語録

「序盤3回、先制しながら5失点と悪い流れの中、2番手坂元が流れを完全にファイターズに引き寄せてくれました!!先発多田野は前回同様あっと言う間の失点でしたが、劣勢にもかかわらずチーム全員が諦めず粘りの野球をしてくれました!!また途中出場の選手もしっかり参加意識(試合)をもって準備をし、それぞれが試合で結果を出してくれましたね!!小谷野の2点適時2塁打は大きかった!!あれで一気に流れが来ましたね!!こういう勝ち方は中々出来ないのでこれでチーム全体が乗って行ければと思います!!」

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