2008.10.21 TUE
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■広報レポート <ホッケの味>

2ランを浴び肩を落すスウィーニー選手

 魚へんに花と書いて、「ホッケ」と読む。その名の由来は、北の花→北花(ほっか)→ホッケだという説もあるらしい。群れをなして北の海を泳ぐさまが、花のようだという。

 ブライアン・スウィーニーは、一人でぶらりと焼き鳥屋ののれんをくぐることもあるほどの、大の日本食党。快勝した2ndステージ第2戦後の夜、チームメイトを誘って彼は居酒屋に行った。そこで初めて口にしたというホッケが「今まで食べた魚の中で、最高の味。深い旨みがあった」そうだ。北の荒海を旅してきたホッケは、しっかり脂がのっている。「ホッケは北海道の魚と聞いた。だから余計に美味しいのかもね」と笑顔を見せた。

 バファローズとの1stステージでは、仲間の活躍をブルペンで見守った。レギュラーシーズンでダルビッシュの16勝に次ぐ12の勝ち星をチームにもたらしたプライドゆえに、先発登板がないと聞かされたときはさすがに落胆の表情を見せた。しかし「優勝のためには、絶対お前の力が必要なんだ」という首脳陣の言葉に直ぐ気持ちを切り替え、「どんな場面でも、チームのために全力で投げます。北海道で日本シリーズを戦いましょう。事情は理解出来ました」と静かに、そして力強く語った。現代の日本人が忘れかけた人情の機微が、スウィーニーにはわかるのかもしれない。日本人の奥深い人間模様を描いた、小津安二郎監督の映画「秋刀魚の味」ではないが、「ホッケの味」を理解できる彼は、まさにただの「助っ人」ではない、特別な存在といえる。

 ようやく巡ってきた先発マウンド。中23日。調整の難しさなど一切言い訳にせず投げた。結果は望んでいたものとは程遠い、3回7失点だった。今日の投球には、スウィーニーの様々な思いが込められていたに違いない。ファイターズフアンの声援や、異国で得たチームメイトの温かさ、そして日本で投げられる喜び…。この敗戦を彼一人の責任とするのは、彼にとってあまりに酷だ。振り返ると、武田勝のケガによる緊急登板、中継ぎを休ませようと150球を超える球数での完投勝利など、チームが苦しいとき、救ってきたはいつもスウィーニーだった。

 ファイターズは、恵まれた環境で個人の技を中心に強引に勝利を得てきたのとは、ワケが違う。一糸乱れることなく、協力し、群れをなして泳いできたその真骨頂を見せるときは、今しかない。北の花を咲かせることは、まだ十分可能だ。我々は、北海道日本ハムファイターズなのだ。

■スウィーニー投手 <3回、打者18、球数58、安打10、三振1、四球0、失点7、自責点7>

初回につかまり、4点を許すスウィーニー選手

「今の気持ちをどう表現してよいかわかりません。今日の試合に挑むにあたり、心身共に精一杯の準備をしてきたつもりです。やり残すことがないよう、自分に言い聞かせてきたつもりでした。しかしこの大事な試合でのこの結果は、到底受け入れられるものではありません。」

■梨田語録

ベンチでたたずむ梨田監督

「初回の1アウト1.2塁のチャンスに1本が出なかったしね、スウィーニーは初回に4点を取られてL石井一を乗せてしまった。序盤で5点差ならまだ何とかなっていたが細川のツーランホームランが痛かった。森本、ボッツの調子が上がって来ているのし、稲葉は様子を見てDHで使うつもりです、明日負ければ終わってしまうし、全員野球で頑張ります。」

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