試合情報

　リードしては追いつかれる一進一退の試合展開でしたが、9回二死満塁の場面に値千金の勝ち越し適時打を放ったのは代打稲田選手でした。攻撃が終わりベンチへ帰ってきた稲田選手は稲葉選手とがっちり抱擁を交わし、ベンチ裏へ入って引っ込むと「よっしゃ～！」と雄たけびを上げました。層の厚くなった内野手の中で出番は少ないながらも15打数6安打を記録しており、今日の一振りはチームに大きな勝利をもたらしました。

　伏線はありました。初回に森本選手が左手の甲に死球を受け途中交代。スレッジ選手も5回に死球を受けた以外にもライオンズ投手陣は執拗にインコースを攻め続けました。9回2死二塁の場面でも小谷野選手が右腕に死球を受けると両チーム選手がベンチから出てきて一触即発の事態になりました。森本選手は試合中に病院へ直行し、骨折が判明していただけに、稲田選手もいつも以上に気合が入っていたに違いありません。

　「家族やファンに励ましてもらっているからこそ、気持ちを切らさずに試合に臨めるし、こういう結果が出ていると思います」と言う稲田選手。実際試合に出るかどうかは分からないながらも必ず家族が応援に来ています。ヒットを打った後の大声援を「興奮していてあまり覚えてない」と話した稲田選手に札幌ドームで稲田コールをするチャンスが近い将来きっとあるはずです。

「ヒット一本出てからが勝負だと思っていましたが、そこから失点してしまうのがまだ甘い所だと思います。先発投手としては後1,2回投げなければいけないと思います。」

「厳しいシーソーゲームだったね。なかなか点が獲れなかったが、最後に稲田がよく打ってくれた。９回の時点でライオンズのブルペンには左投手が一人も残っていなかったので、迷わず稲田を指名した。多田野はこの蒸し暑いなか、しっかりとした働きをしてくれた。欲を言えば、四球がらみの失点は避けなければね・・彼は去年よりもスタミナがついて、頼もしくなったように思う。森本の骨折は痛いね。丁度状態が良くなってきただけに、本当に残念だ」