2009.11.01 SUN
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■広報レポート <一世一代の投球>

笑顔でファンとタッチするダルビッシュ投手

 試合開始約40分前、先発投手「ダルビッシュ有」の名前がコールされると、大きなどよめきが観客席から生まれました。左でん部痛が完治していない不完全な状態ながら実に9月20日以来42日ぶり、ぶっつけ本番のマウンドへ上がりました。将来のある投手なだけに、「今季はしっかりと体を休めて来シーズンに備えるべき」という声もありましたが、監督、コーチ、トレーナー陣がいろいろな角度から総合的に見て行けると判断して登板に踏み切りました。しかしながらどのようなピッチングが出来るのかまったく分からない状態で試合が始まりました。

 試合前の投球練習を見ただけで、本来の出来とは程遠いのが一目瞭然でした。長い足を大きく踏み出して上体が沈み込むのが本来の姿ですが、下半身をほとんど使わず、上半身の力だけで投げているような印象を受ける投球フォームを披露。しかしながら吉井投手コーチが「アメリカでよく見る中南米の選手のような投げ方」と評した投げ方ながら、初球から146キロを記録。普段はあまり使わない100キロ代前半のスローカーブを効果的に使いジャイアンツ打線を翻弄。打線も3回に「痛いそぶりも見せずに淡々と投げ続ける姿に刺激を受けた」という稲葉選手が二死からソロ本塁打で先制すると、そこから4連続長短打で合計4点を挙げエースを援護。4回に本塁打で2点を失いましたが、87球で6回を投げきってきっちりと先発投手の役目を果たしました。

 WBCへの準備でいつもより早く始まった今シーズン。開幕戦を振り返ったときには「自分の中ではオープン戦のような気持ちだった」と話し、一度目の登録抹消の際には自ら監督室の扉をたたき「これ以上は無理です」とタオルを投げていました。「みんなに守られていると思い強い気持ちでマウンドに立ち続けた」と試合後ベンチ裏で話してくれたエースは謙虚にお立ち台でもチームメイトやファンへ感謝の気持ちを忘れませんでした。試合前に登場曲をGReeeeNの「道」に変更したダルビッシュ選手。その歌詞の一部「誰しも僕ら人生は一度! 正しい道か誰もわからないけど、きっと人生はそんなところ 大事な気持ち見失わず行こう」が彼の今日の気持ちを表していたのかもしれません。

■ダルビッシュ投手 <6回、打者24、球数87、安打7(本塁打1)、三振7、四死球0、失点2、自責点2>

勝利を決め、ナインとタッチするダルビッシュ投手

「ピッチングを見てもらった通り、本来の状態には程遠いけれど、ファンを含めてみんなに守られていると思い、強い気持ちでマウンドに立ち続けました。一世一代の投球ができました。」

■梨田語録

勝利監督インタビューに答える梨田監督

「ダルビッシュには1が並ぶ11月1日がいいと思い、第2戦のマウンドを託しました。シーズン終盤からCSまで投げられず、本人が一番辛かったと思います。ステップを狭くするなど工夫しながら6回までよく投げてくれました。打線はきのうも2死から走者をためながらあと1本が出なかったのですが、きょうに関しては畳み掛けられたなと。連敗して東京ドームへ行くのと気持ちが全然違いますし、1つ勝ってほっとしています。」

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