2010.05.09 SUN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0
1
0
0
1
0
1
0
0
2
0
0
0
1
0
4
0
X
R
H
3
9
7
13

■広報レポート <Grand-slam>

 コンパクトに振り抜いたスイングを見れば、決して一発を狙ったものでなかったのは一目瞭然でしょう。それでも、高橋選手が放った当たりは左中間スタンドに弾丸ライナーで飛び込んでいきました。同点で迎えた7回2死満塁。楽天先発・田中選手から打った値千金の決勝満塁弾は、自身の迷いを振り払う大きな一撃となりました。

 「葛藤どころじゃなかったです」。開幕4番を任されながら、思うような結果を出せず苦しんでいました。4月中旬には急性胃腸炎で欠場し、その後もスタメンから外れる試合もありました。体重は86キロから一時は80キロに激減。いまは2キロほど戻ったといいますが、責任感の強い男はチームを背負う気持ちでプレーを続けてきました。

 試合に臨む準備を怠ったことはありません。だからといって、結果が出なくても簡単に割り切れるはずはありませんでした。「打てなきゃ去るしかないですから」。ベテランですら感じるプロの世界の厳しさが、そこにはありました。生還してベンチに戻ると全員と握手し、守備でグラウンドに出た際にはスタンドのファンに向け、帽子を取って何度も深々と頭を下げました。

 「あそこで打ったというよりも、試合に出していただいているという感謝でいっぱいです」

 通算5本目となる満塁アーチを放ち、チームを3連勝に導きました。しかし、高橋選手は「これで打破したとは思ってません。でも、きっかけにしなきゃいけない」と気を引き締め直しました。

 2連戦ながら今季初のカード全勝を決めて交流戦に入ります。梨田監督は数日前、キーマンとして高橋選手の名を迷わず挙げていました。「信二の状態が上がってきてくれればね」。劇的な満塁弾は、その号砲になるはず。1戦1戦を大切にしながら、セ・リーグの6球団に立ち向かいます。

■武田勝投手 <3回、打者14、球数54、安打4、四球2、三振1、失点1、自責点1>

「せっかく先制してもらったのに、すぐにフォアボールで先頭打者を出してもったいないことをしてしまいました。ゲームの中で修正することができず、反省点の多い内容でした。このまま勝てるようにベンチで応援します。」

■梨田語録

「(武田)勝はもうちょっと長く投げさせてもよかったけど、明日から2日間ゲームがないからリリーフ陣も使いたかった。ただ、リードしてすぐに点を取られたのはね。フォアボール、ヒット、ヒットでよく1点で抑えられたなというね。(高橋)信二のホームランは効いたね。その前に同点にされていたしね。苦しんだと思うけど、いい結果を出してくれるとつながっていくから。(連勝で交流戦へ)いきなり打線のいい阪神と当たるけど、いい形で臨めるんじゃないかな。ミスもあるけど、いいプレーも出始めているしね。」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート