2010.06.29 TUE
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■広報レポート <プロ初勝利>

 勝てば自分のプロ初勝利――。試合が終わるまで、そう考える余裕はありませんでした。ベンチで見守る矢貫選手の思いは、たったひとつ。「チームが勝つことが一番なので、自分のことは考えられませんでした」。九回、2点差で2死満塁。守護神・武田久選手が最後の打者を遊ゴロに抑え、仲間との握手を交わして初めて、実感のこもった表情を見せました。

 「大量点を取ってもらいましたけど、自分の中では1対0のつもりで投げました」

 思い出したくはない一戦。しかし、忘れられない一戦が矢貫選手にはありました。前回の登板だった23日のソフトバンク戦です。序盤で9点の援護をもらいながら、五回に突如崩れて降板。試合には勝ったものの、勝ち投手にはなれませんでした。気持ちの整理がつかず、翌日の朝まで眠れなかったと告白します。

 “背水の陣”と考えて臨んだ今回の登板。中5日の期間で、決め球のカーブをしっかりと修正してきました。三回2死までノーヒット。四回2死一塁では、そのカーブで大島選手を3球三振に打ち取っています。“鬼門”の五回も、森本選手の守備にも助けられて1失点。六回途中に交代するまで5安打2失点のピッチングを見せてくれました。

 昨年の秋、アリゾナフォールリーグに参加。ここで得た経験が、プロ2年目の飛躍につながっています。今季、メジャーで大きな話題となっている黄金ルーキーのストラスバーグ選手(ナショナルズ)と同じチームでプレー。ともに過ごしながら、投球論に花を咲かせたといいます。「体から何から、すべてが凄かった。考え方も勉強になった」。メールアドレスの交換こそ「遠慮しちゃいました」と苦笑いしますが、好投を続けたことで「お前がMVPと言われました」と嬉しそうに話す表情が印象的でした。

 「今日は野手のみなさんに助けられてばかりでしたけど、この先は自分の力でチームを助けられるようになりたい」。大きな自信を得たプロ初勝利。快進撃の立役者のひとりとして、アメリカ仕込みのマウンドさばきで今後も期待に応えてくれるはずです。

■矢貫投手 <5回1/3、球数83、打者23、安打5(本塁打1)、三振4、四球2、失点2、自責点2>

「今回も前半で大量点をもらいましたが、前回と同じような失敗は絶対に繰り返さないという強い気持ちを持って最後までいきました。途中には守備で助けてもらったし、野手のみなさんに感謝したい。最後までしっかりと応援します。」

■梨田語録

「最後はひやひやだったね。(9回にマウンドへ行ったのは)ああいった場面でマウンドには行きづらいんだけどね。。。簡単に歩かせるわけじゃないけど、勝負するかどうかの確認をしました。矢貫が初勝利を挙げられてよかった。自信になって次の試合にもつなげられると思うし、チーム内でもいい競争ができる。6連戦の頭だったから出来る事ならもう1回ぐらい行って欲しかった。借金が2まで減った?まだこの先どうなるかわからないし、一つ一つやっていきます。」

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