2010.07.20 TUE
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■広報レポート <プロ初アーチ>

プロ初HRでガッツポーズの中田選手

 真ん中高めの速球をフルスイングすると、打球は弾丸ライナーで左翼スタンドに突き刺さりました。自分へ向けられた視線と大歓声を楽しむように、中田選手はゆっくりとダイヤモンドを一周しました。待望のプロ初アーチが飛び出したのは五回2死です。ベンチに戻ると先輩たちから祝福の嵐。その中にはダルビッシュ選手ら、登録を外れている選手の姿もありました。

 「打った瞬間『行ってくれ』と思いました。本当に鳥肌が立ってすごかったです」。試合が終わってからは、止まらない“ナカタコール”の中でお立ち台に登場。大きな拍手で迎えられ、照れくさそうに笑いながらの初ヒーローインタビューという初々しさも見せてくれました。

 今季がプロ3年目。和製大砲の期待を一身に背負いながらも、なかなか結果を出すことができませんでした。昨季はリーグ優勝を目前にして一軍登録を抹消。今春のキャンプでは「あの悔しさは絶対に忘れたくない」と話し、バットを振り続けました。そして、開幕スタメンを手中に収めた中田選手に声をかけた広報担当に、こう話したのです。

 「まだまだこれからですよ。今年は絶対やります。札幌ドームで一発打ちますから、見といてください」

 ただし、すぐにはその思いは実現しませんでした。開幕戦で打点を挙げながら、その後は思うように結果が出ず、4月中にファームでの再調整を言い渡されました。さらに、イースタン戦出場2試合目で左ひざの半月板を損傷し、悩み抜いた上で手術を受けることを決断しました。

 体を動かすことさえ許されない日々が続き、リハビリも苦しいものでした。鎌ケ谷スタジアムで試合に出場する仲間を見ながら、ファームの広報担当にこうつぶやいたといいます。「強烈なパワースポットを探しといて下さい」。何かにすがりたくなる気持ちも、すべては自分の居場所がグラウンドにあると思ったからこそ。いつの頃からかアナウンス室の一角が野球を外から分析する“指定席”となりました。

 研究、そして打撃フォーム改造の成果は確実に現れ、ファームでも復帰してすぐに本塁打を記録しました。満を持しての一軍再登録。「ひざはボチボチですね」という状態ながら、スタメン2戦目で最高の結果を出しました。中田選手の初アーチを祝うかのように、打撃陣の爆発で大勝。5号ソロを放った金子誠選手は「ボクはちょこっと貢献したということで」と笑みをこぼしました。

 ロッカーに戻り、安どの表情を浮かべる中田選手に「勝負はこれからだね」と話しかけると……。「もちろんッス」。その顔は長距離砲としての自信と矜持に満ち溢れていました。

■木田投手 <5回、打者22、球数75、安打8(本塁打3)、三振4、四球0、失点6、自責点6>

先発登板した木田選手

「情けないです。」

■梨田語録

「2回に相手の四球につけこんでの7点が1点差になってちょっとハラハラしました。翔(中田選手)の本塁打は打った瞬間入ったと思いましたね。その前の2打席でも四球を選んでボールの見極めは出来ていたし、1点差に詰め寄られた直後で、苦しい時に打ったからファンも喜んだだろうし、チームも助かったから価値がある1本でした。木田の内容はともかくゲームは作ってくれました。」

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