2010.09.03 FRI
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■広報レポート <技あり配置転換>

 千葉マリンスタジアムの強風を味方にできたのは大きかったかもしれません。しかし、ピッチング自体が十分に内容のあるものでした。スターターとしてマウンドに上がったのは、来日初先発となったウルフ選手。1点を失った六回途中で降板したとはいえ、文句のつけようがない先発初勝利を飾りました。

 「最初はやっぱり少し緊張しました」。その言葉通り、立ち上がりの先頭打者に安打を許しました。それでも、次の打者を二ゴロ併殺に打ち取ると波に乗ります。四回までは三塁まで走者を進めず、五回も1死三塁のピンチを背負いながら一ゴロ、遊ゴロで切り抜けました。

 リリーフ時との大きな違いは、打者の手元で沈むボールを有効に使えたこと。力で押し切るのではなく、ゴロを打たせてアウトを取るスタイルに見事に変身してみせました。実際にアウトの内訳は、内野ゴロ=12、フライ=2、三振=3。同じ新外国人・ケッペル選手のような内容だったことが分かります。

 外国人選手としては珍しい、シーズン途中でリリーフから先発への配置転換。ただ、ウルフ選手は先発転向を望んでいた面もあったのです。「チームのためになるのなら何でもやる」。常に前向きにファームでも調整に臨みました。

 守備陣のバックアップも忘れるわけにはいきません。四回1死一塁では一塁・中田選手が福浦選手の強烈なゴロを確実にさばいて併殺を完成させると、継投策に入った七回1死一、二塁で魅せたのは名手・小谷野選手でした。

 西岡選手が放った打球は、三塁後方への小フライ。瞬時に落下点を割り出し、ボールの行方を見ることなく後向きでキャッチしました。飛び出していた二塁走者もアウトにする超ファインプレーでピンチを切り抜けました。「元外野手ですからね。昔、後方への打球を捕る練習をヘトヘトになるまでやった効果が出ました。満塁で凡退してるけど、チャラってことでいいですか?」。もちろんです、栄ちゃん。

 オフェンス、ディフェンス、ピッチング。すべてが噛み合って3連勝を飾りました。ヒーローインタビューを終えてベンチ裏に戻るウルフ選手を、ウィニングボールを持って出迎えたのは好リードを見せた大野選手。2人が交わした勝利のハグは印象的なものでした。勝負の9月。ファイターズは前進を続けます。

■ウルフ投手 <5回2/3、球数75、打者23、安打4、三振3、四球2、死球2、失点1、自責点1>

「ショウタ(大野選手)がとてもいいリードをしてくれました。狙い通りゴロを打たせることが出来ましたし、野手の方々もダブルプレーを完成させるなど堅い守備で助けてくれました。6回を最後まで投げきれなかったのは悔しいですが、しっかり抑えてくれたバラ(榊原選手)にも感謝します。」

■梨田語録

「ウルフがようほおってくれたね。すごくボールが生きていたというか、動いていた。ある程度の準備期間を与えての先発だからそれなりに期待はしていたけれども、最後は替えどきが難しかった。稲葉が(本塁打)14本からなかなか進まないなと思っていたけど、先制点になる良い本塁打だった。小谷野の6回のダブルプレーは練習しようとしても出来ないプレーヤね。苦しいところを、建山も苦しかっただろうところでチームを救ってくれた。一つ一つ全力でやっていくことに変わりはないけど、3連戦の頭を取れたのは大きい。」

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