■広報レポート <助っ人は宣伝部長?>
ヒーローインタビューを受ける姿も、すっかり板についてきました。先発転向後、3試合連続での勝ち投手に。お立ち台に向かうウルフ選手が抱えていたのは、限定発売の『ファイターズ抱きつきLOVEまくら』。もちろん、バッテリーを組んだ大野選手がプリントされたものでした。
さらに、この3試合とも稲葉選手のオリジナルスパンコールキャップをかぶってインタビューに登場。「オレ、宣伝部長だな」と助っ人右腕は笑いますが、その行動には感謝の気持ちが詰まっています。
「ショウタがいいリードをしてくれた」。ウルフ選手は常にそう言い続けてきました。一方で大野選手は「ウルフがしっかりと投げてくれる」と話します。2人の信頼関係がうかがい知れるナイスピッチング。表舞台で力を発揮するため、裏舞台で“研究"を怠ることはありません。
9日の西武戦で2勝目を挙げた翌日。福岡での試合後、宿舎での食事中に2人が話し込むシーンがありました。あの場面で、なぜあのサインを出したのか――。こういう場面ではこう構えて欲しい――。ひとつひとつのやり取りがお互いの考えを知る助けになり、好投につながっているのは間違いありません。
大野選手はリードだけではなく、バットでもウルフ選手を援護してみせました。二回2死二塁で左前に先制適時打。チームの無得点イニングをストップさせると、四回1死一塁でも三塁線を破る適時二塁打を放ちました。打線は五回に3連打で2得点。終盤には、2番でスタメン出場した陽選手が2本の適時打を飛ばしイーグルスを突き放しました。
全員野球で連敗ストップに成功。大野選手の抱き枕を手にしたウルフ選手は「これ、娘にあげたいんだけど。ショータの大ファンなんだ」と笑みをこぼしました。泣いても笑っても公式戦は残り10試合。土壇場の戦いを続ける中で、チームは結束しています。
■ウルフ投手 <6回、打者24、球数95、安打6、四死球0、三振3、失点2、自責点1>
「足にボールがあたりましたが、大丈夫です。今日もショータ(大野選手)がいい組み立てをしてくれましたし、バットで2点もたたき出してくれました。後は中継ぎ陣がリードを守りきってくれると思います。まだクライマックスシリーズ出場のチャンスが無くなったわけではありません。最後まであきらめずに戦います!」
■梨田語録
「先制も出来たし、点を取られた後にすぐ取り返せましたし、ダメ押しも出来たし、形にはなりました。(2試合完封されて)点が入っていなかったところで奨太が先制打を打ってくれたし、二塁打で追加点もとってくれた。ありがたかった。ウルフの出来は非常に良かった。出来れば7回まで行って欲しかったけど、ボールが足にあたったこともあって替えました。リリーフの時は1点もやれないということで無駄な球を投げたがらないのですが、先発になったら心に余裕があるように見えますね。」