2011.04.17 SUN
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■広報レポート <全員でプレゼントしたプロ初勝利>

 守護神・武田久選手が最後の打者を投ゴロに打ち取ると、ベンチが大きく沸きました。チームメートの祝福に丁寧に頭を下げ、ルーキーは照れ笑いを浮かべました。初先発で初勝利。プロ野球選手・斎藤佑樹が“本物”になった瞬間でした。

 球場入りした際にはいつも通りのクールな表情を見せていました。しかし、時間がたつにつれて緊張感が出てきたといいます。「初球を投げるまではホントに緊張してましたね」。真ん中へストレートを投げ込んだプロ第1球。これでストライクを取ると、自分のペースに相手を引き込みました。失策が絡んで4点は奪われたものの、堂々の5イニングだったといえるでしょう。

 チーム全員がどん欲に勝利を目指した一戦。その思いが斎藤佑選手への援護にもなりました。打線は毎回安打を記録。一回に逆転3号満塁弾を放ったホフパワー選手からベンチに戻る前、ウォームアップするルーキーは気合を注入されました。二回からの3イニングは走者を二塁に進ませないピッチングを見せています。

 もちろん、先輩投手陣の“サポート”も見逃せません。キャンプ序盤のある日、ロッカーではこんな話題で盛り上がりました。「斎藤が初めて投げる試合には投げたくないよなあ(苦笑)」。しかし、それが現実となったこの日、後を受けた5投手は1本の安打も許しませんでした。

 「今日の疲れはハンパないですよ」と振り返るのは、六回に登板した林選手。16日の試合で逆転弾を浴びた宮西選手が気合十分のピッチングを見せれば、榊原、増井選手も無安打に抑えました。そして武田久選手は、ロッカーですれ違った斎藤佑選手に「お願いします!」と声をかけられ、「おう、任せとけ!」と話してブルペンに向かいました。

 全員でもぎ取ったからこそ価値のあるルーキーのプロ初先発初勝利。「チームのみなさんに助けてもらいました」。ファイターズでプレーし続ける限り、その言葉を斎藤佑選手が忘れることはないでしょう。ウィニングボールを手にして顔を赤らめた右腕のプロ野球人生が、いよいよ幕を開けました。

■斎藤佑投手 <5回、球数92、打者22、安打6(本塁打1)、三振2、四死球0、失点4、自責点1>

「プロ初登板でしたが、いい緊張感の中で投げることができました。コントロールの面などで内容はよくなかったですが、自分なりの最善を尽くせたと思います。この後は先輩たちに任せてベンチでしっかり応援します。」

■梨田語録

「斎藤佑は状態自体悪くなかったですし、緊張もあったと思いますが、2回以降徐々に立ち直っていきましたね。ここまでストレート主体の投球が多かったのに、ツーシームやフォークを混ぜながら丁寧に放っていた印象です。5回2死からエラーで失点し、球数がかさんだのでその回で降りる形を取りましたが、それがなければ6回、7回と行けたかもしれません。自責は1点、初先発初勝利を考えれば100点つけていいんじゃないでしょうか。ホフパワーの満塁本塁打が大きかったですね。初回に先制されて倍返しというか、あれで勇気をもらいました。」

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