2012.03.30 FRI
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広報レポート <信じる力がもたらしたもの>

 開幕戦4年ぶり勝利の余韻が残るベンチ裏。初采配を執り終えた栗山監督は監督室のデスクでパソコンに向かっていました。インタビューの準備が整うまでの待ち時間も惜しむようにキーボードを叩く音を響かせていました。「きょうは(自分は)取材無しでいいよね。魂を持った選手がこれだけいて活躍したんだから、みんなを取材してもらって」。“取材拒否”を訴える表情にはわずかな充実感と、早くも次に向かわねばという思いがにじんでいました。

 栗山野球の一端が垣間見えた、初回の攻撃。無死1塁で2番に据えられる稲葉選手が2球ボールが続いた後のストレートを中越えに運ぶ二塁打でチャンスを広げました。「監督からは野球少年が稲葉みたいな2番打者に憧れるようなイメージでやってほしい、と言われていたので思い切っていきました」。この策が奏功して相手エースの涌井選手から一挙3点。オープン戦から好調な打線は13安打9得点と3万6000人で埋まったスタンドを何度も揺らし、開幕投手の斎藤佑選手を初の完投勝利に導きました。

 練習後の選手ロッカーに全選手、コーチ、スタッフが集まり、栗山監督が用意した杯に水を注ぎ、田中賢主将の音頭で乾杯。古くから伝わる「水杯(みずさかずき)」の儀式で結束を高め、出陣したのも歴史書を愛する指揮官ならではで「それぞれの夢に向かってください。それが自然とチームのためになります」の呼び掛けに全員が心を熱くしていました。

 ラインアップに監督の信念が浮かび、思いを背負った選手たちも全てのプレーに気持ちが込められていた印象です。杯に刻まれた監督の座右の銘「夢は正夢」のごとく、夢はかなえるために見るものと信じてナインは突き進みます。

斎藤佑投手<9回、球数110、打者32、安打4、三振7、四死球4、失点1、自責1>

「初回に3点取ってもらえたのが一番の(勝利の)要因です。経験したことのないプレッシャーがありましたが、稲葉さんをはじめみんなが声をかけてくれて落ち着くことができました。最後まで投げ切ることができ、今シーズン初登板で自分の方向性を示すことができて良かったと思います」

栗山語録

「こういういいゲームのときは監督じゃなくて選手に話を聞いてあげてよ(笑)。終わったあとは明日のことを考えるのが仕事だから、どういう試合をするかばっかり(試合終了直後の今は)考えてます。斎藤は今日だけは褒めてあげたいね。プレッシャーの中でよく頑張った。チーム全員の思い、斎藤を勝たせるんだという思いが強かったと思う。(斎藤佑の点数を聞かれ)まあ、50点くらいにはなったかな(笑)。だって、開幕投手なんだからそれくらいでしょう。それだけ期待してるってことだから。(2番起用で3安打した)稲葉は素晴らしいのひと言ですよ。(スタメンで唯一無安打に終わった中田選手については)みんなが打てるときはいい。みんなが打てないときにお前が打って勝つ、それが4番なんだという話をしました。彼はチームの顔なんだから、こういうときにどう振る舞えるかじゃないですかね」

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