2012.04.29 SUN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0
0
0
1
0
2
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
R
H
4
9
0
2

広報レポート <芸術的な完封劇>

 緩急自在――。それは武田勝選手のための言葉なのかもしれません。栗山監督をして「芸術」と言わしめたピッチングでした。打者30人で打たれた安打は聖澤選手の2本だけ。今季4勝目を、早くも2度目の完封で飾ってみせました。

 立ち上がりはストレート主体で攻め、ゴロでアウトを取るスタイル。しかし、打線に先制してもらうといつもの武田勝選手に戻りました。4回裏のマウンドへ向かう際にかけられた「この回が大事やぞ!」という福良ヘッドのゲキに応えるように、変化球が低めに決まります。イーグルスのクリーンアップトリオを相手にして、たった3球で右飛、左飛、投ゴロに打ち取りました。すべてチェンジアップ。「大野と相談しながら組み立てていった」と振り返る配球も絶妙でした。

 テンポの良さは攻撃陣の援護にもつながりました。6回にはスレッジ選手から4号2ランのプレゼント。自分のピッチングができなかった開幕2戦目に、攻撃陣の援護でサヨナラ勝ちできたことが強く印象に残っているといいます。「次は自分がチームに貢献したいという思いが結果に出ているんだと思う」。投打の歯車が噛み合うのは、選手それぞれが勝利に向かって強い意志を持っているからに他ありません。

 栗山監督は帰路へのバスに乗り込む直前、こう言って満面に笑みを浮かべました。「マサルには無理をさせてきてるからね。勝たせてあげられて本当によかった」。明日30日は2週間に及んだ遠征の最終戦。貯金を2ケタに乗せて北海道に戻ることができるでしょうか。

武田勝投手 <9回、球数96、打者30、安打2、三振1、四死球3、失点0、自責点0>

「(2回の)けん制でリズムに乗っていくことができた。大野のリード通り投げられたことでいい結果が出ました」

栗山語録

「(武田勝は)素晴らしい。芸術だったよね。2回のあの(二走を刺した)牽制を境にどんどん乗っていった。流れを読んで、流れをつかむとあのままいけるでしょう?9連戦ということもあるし、あの球数で完封してしまうのは素晴らしいの一言に尽きます。(3打点の)スレッジは安心材料。パ・リーグの球場は本塁打が出にくいと思っていて、1本の本塁打の価値は大きいんでね」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート