2013.04.07 SUN
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広報レポート <4番打者の矜持>

 9回の守備へ向かう際に送られた大歓声に、中田選手は両手を広げて応えました。試合をひっくり返し、決めてみせるひと振り。「連敗の嫌なムードを変えるのは4番しかいないですから」。今季初のお立ち台でニヤリと笑うと、スタンドは大きく沸き上がりました。2点を追う8回です。高めのストレートをフルスイングで弾き返し、左中間スタンドの一番深いところに放り込みました。

 4月4日(マリーンズ戦)の第1号、そして、この日の第2号。今季の2発はともに試合を決める決勝弾でした。開幕から全試合で1安打。複数安打はまだ記録していないとはいえ、“一日一善”でもインパクトと勝利への貢献度は計り知れません。栗山監督は試合後にこう漏らしています。「逆転するならこの形だろうってイメージしてたんだよね。イメージというよりは妄想だったけど」。指揮官の思いは見事、現実のものとなりました。4番が打てば勝つ。それを体現した連敗脱出劇でした。

 チーム全員が全力を尽くし、ヒーローが作り出される。それがファイターズ流でもあります。「今日みたいに手を打ち尽くす試合をしたかった」と栗山監督は話しました。先発・谷元選手の調子が上がらないと見れば、2点を奪われた時点でスイッチ。無死一、二塁で後を受けた矢貫選手が無失点に抑え、3番手以降の投手陣も得点をさせず、攻撃陣の反撃を待ちました。今季初勝利を挙げた石井選手は、中田選手がヒーローインタビューを受ける間、チームメートから握手攻めを受けていました。

 「まだまだスタンドの空席が目立ちますね」。若き主砲はそう言って、スタンドを再び沸かせました。この男が中心になってファイターズの打線は形成されます。厳しい戦いを跳ね返すため、そのバットに期待が集まります。

谷元投手 <3回0/3、球数68、打者18、安打7、三振3、四球2、失点2、自責点2 >

「チームに勢いをつけるピッチングができず、申し訳ない気持ちです。あとは逆転を信じて応援します。」

栗山語録

Q.今シーズンの本拠地初勝利です
「本当にこの3試合、きょうも最後までファンの人たちが喜ぶ場面がなかったと思いますが、そのまま終わらずに良かったです。翔(中田)の本塁打は(四球を選んだ小谷野)栄一が打たせたようなもの。岱鋼(陽)もスタートを切ってプレッシャーをかけるなど、ああいうのがファイターズの野球。できることをやり尽くそうとやっていますし、次の試合につなげていかなければいけないですね」

Q.中田選手がまさに4番の働きを見せました
「昨年からずっとああいう打者だと思い続けてきました。一発で苦しい流れを変えられる。深かったので入るかなと思いましたが、本当に価値のある本塁打でした」

Q.中継ぎの踏ん張りが大きい試合でした
「みんなが自分の責任を果たそうという思いが、ベンチに野手に伝わってきました。宮西の初登板もずっとタイミングを計ってきましたし、これでみんな落ち着いて投げられる状態になりました。うちは中継ぎで勝って行くチームなのでね」

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