2013.05.22 WED
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広報レポート <復活と復調の光>

 力任せに振ればいいってもんじゃない。バットを軽く振り抜いただけに見えても、打球はグングンと伸び、一番深い右中間スタンドに吸い込まれていきました。両チーム無得点で迎えた6回。無死満塁の絶好機で打席に立ったのは、稲葉選手でした。「吉川が良かったから、きょうは1点取れば勝てると思っていた」。そうなれば“外野フライ以上”には願ってもない真ん中高めへの一球を逃すはずはありません。「久しぶりに力を抜いて打つことができたかな」と振り返ることができるのも、大きな当たりを狙っていたからではない証拠でしょう。二塁を回るところでガッツポーズを作った稲葉選手の両手は、忘れかけていたホームランの感触に包まれていました。

 4月21日。福岡でのナイターで4打数無安打に終わった稲葉選手は、試合後に栗山監督とひざを突き合わせて話し、自らのファーム調整を願い出ました。最終的に処遇が決まったのは深夜になりましたが、翌日の午前中には東京へ向けて出発していました。「ちょっと行ってくる。何とか頑張ってくるよ」。短くても並々ならぬ決意を感じさせる言葉を残し、翌日からファームの若手らとともに汗を流しました。5月8日に復帰して以降も、本拠地で試合が行われる日は早出特打を敢行。結果は徐々に出始め、5月11日からはスタメン出場試合では6試合連続で安打を記録しています。そして、「ロングティーでボールをしっかりと運べた。いいなと思った」と話す5月22日。チームを勝利に導く満塁弾に適時打を記録してみせたのです。

 これで完全復活か、と問われた40歳は、こう話しました。「いやいや、そんな簡単なもんじゃないですよ。バッティングっていうのはね。明日からも謙虚にやります」。まだまだ自分には上がある。トンネルを抜け出してはいなくても、出口から差し込む光を視野に入れられる試合になったことは間違いなさそうです。毎年恒例『稲葉の夏』は確実に近づいています。

吉川投手 <8回、球数115、打者26、安打2、三振8、四球1、失点0、自責点0>

「打者一人ひとりに集中して投げられました。(6回終了時点で無安打無失点に)できるかどうかは半々だと思っていたので、7回1死からヒットを打たれても気持ちが変わることはありませんでした。明日の大谷にいい形でつなぐことができたかなと思います」

栗山語録

Q.快勝と言える内容だったのではないでしょうか
「終わってみればそういう形でしたけれど。もう少しうまい攻め手をして早く点を取らなければならなかったですね。うちが吉川でやられると相当なダメージが残りますし、(中盤まで0-0でも)全く五分五分ではないので。(両チーム初ヒットとなった6回の)西川がよくフルカウントから打ってくれて、その後(連続四球)のアブと翔も甘い球がないのであればチームのことを第一に考えながらやってくれたことを嬉しく思います」

Q.吉川選手が今季最高の投球内容でした
「吉川らしさというか、後先を考えず1球1球打者をやっつける姿が見られたと思います」

Q.稲葉選手が復調を告げる5打点の活躍
「感動しました。(1軍に)戻ってきて調子が上がっていましたが、本人はまだスッキリはしていなかったと思います。ヒットではなく本塁打を打つのが稲葉らしいところ。これで落ち着いて野球ができると思います」

Q.明日はいよいよ大谷選手が初登板です
「最初の登板は思い切ってやらせたいと思ってきましたし、だいぶ(チーム状態が)ファイターズらしくなってきたところで行ってもらえる。とにかく自分の持っているボールを信じて投げてほしいですね。(投手と野手の)二つをやりながらここまで順調に来て、プロに入って良かったなと思える試合になることを期待しています」

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