2013.06.15 SAT
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
4
X
R
H
1
5
5
7

広報レポート <最高の集中力>

 ヒーローインタビューからの場内一周を終えた稲葉選手が選手サロンに戻ると、チームメートや球団スタッフから大きな拍手が起こりました。「祝!通算1000得点」。ホワイトボードに書かれたメッセージを目にしたベテランは、思わず照れ笑いを浮かべました。「みんなに還してもらって達成した記録です。これからも塁に出て、走って、もっと得点を挙げたい」。プロ野球史上39人目の大記録。2000安打など記録ラッシュとなった昨シーズンが終わっても、まだ“通過点”となる記録が待っている。それらすべてが野球人・稲葉篤紀の歴史を作っています。

 お立ち台への呼び出しを前に「きょうはオレしかおらんわなあ」と白い歯をこぼし、選手プロデュースデーのバンダナを首に巻いてグラウンドに飛び出した稲葉選手。勝利を演出し、記録を達成したのだから“一人舞台”は当然かもしれません。しかし、その裏にはチームメートへの感謝や激励が常に含まれています。そして、チームメート全員が勝利への執念を見せ、稲葉選手を主役に押し上げたのです。

 同点で迎えた8回。1死から大引選手が四球を選ぶと、大谷選手が左前へ。好走塁で二塁を陥れ、二、三塁となったところで、中田選手が敬遠四球で出塁しました。「表情変わったの分かった?」。相手捕手が立ち上がって勝負を避けたことで、稲葉選手の心に火がついたのです。「ホントにいろんなことを考えた。どうやって打つか、何をすればいいか」。打席に立つと「無心でしたね」。最高の集中力。喜びも苦労も経験した男が見せたひと振りは三塁線を抜けていきました。決勝の一打は長嶋茂雄氏に並ぶ通算418二塁打。その後、アブレイユ選手の中前適時打で生還と、立て続けにドラマを作りました。

 セ・リーグを代表する前田健太選手を全員で攻略しての勝利。その中心に稲葉選手がいました。きょうだけではなくこれからも。今年41歳になる背番号41は、必ずやってくれるはずです。

ウルフ投手<6回、球数80、打者23、安打4、三振2、四球2、失点1、自責点1>

「立ち上がりから自分らしく投げられたけど、先頭にフォアボールを与えてから失点してしまったのでとても残念に思う。リードした状態でブルペン陣にマウンドを譲りたかった。あとはチームが勝つことを信じて応援します。」

栗山語録

Q.緊迫した試合を終盤の集中打でものにしました
「マエケンらしいいい投球でしたし、こういう戦いを取れるなら勢いになると信じていました。勝負所で決めてくれていいゲームだったと思います」

Q.稲葉選手の勝負強さが最後にものを言いました
「稲葉自身の状態が上がってきて、若手から中堅、ベテランがかみ合う試合がしたかった。本当にベンチの皆が喜んでいましたし、ファイターズらしい内容だったんじゃないでしょうか」

Q.7回から勝ちパターンの継投に入ったのは?
「マエケンが復帰登板だったから、自分が監督でも球数を考えたと思います。うちも後ろの投手はいいんでね。後攻めだから表を抑えていけばサヨナラのチャンスが訪れる、というのも当然考えました」

Q.交流戦は残り2試合
「本当に勝たなきゃいけないし、何よりファイターズらしい中身のある試合がしたい。本気で我慢しながら取れるゲームを取っていき、勝つ確率を上げて自分たちの存在を示していくしかないと思っています」

  1. トップ
  2. 試合情報
  3. ゲームレポート