試合情報

振り切った分だけ、打球が野手の間に落ちました。0－0の9回2死一、二塁。5番でスタメンに名を連ねた北選手の4打席目、ライオンズ岡本洋選手の直球を叩くと試合を決める一打が中前に弾みました。「12回裏の気持ちで、中途半端にならないようしっかり振りに行ったのがよかったですね」。息を弾ませたまま、移籍2年目で初のサヨナラ打を興奮気味に振り返りました。

ベイスターズに投手として入団し、野手に転向後、昨シーズンにトレードでファイターズへ。名護キャンプで左肩を骨折し、1軍昇格を果たせぬまま移籍1年目を過ごしました。背水の年と覚悟を決めた今シーズン、ベイスターズでも指導を受けた白井コーチが就任し「僕の野球観を変えてくれた方。また一緒にできるのがうれしかったですし、心の支えになっています」。常に言われてきた‘準備’と‘思い切り’を実践し、キャンプから3本塁打を放って1軍生き残りへアピールし続けます。

外野手は杉谷、岡、谷口選手らが持ち味を出し、ポジション争いはし烈さを極めます。それでも本人は「自分は自分のことに徹します。みんなが頑張ってチームに勢いがあるなら、それはそれでいいので」と意に介さず。「みな目がギラギラしていて、雪を溶かすくらいの熱い思いで戦っていければ」と相乗効果を口にしました。

この日は開幕投手の吉川選手が5回を2安打無失点。後を受けた木佐貫、クロッタ両投手も得点を許さず、劇的な幕切れに結び付けました。同一リーグとの3連戦を2勝1分けと無傷で終えて、オープン戦の首位もキープ。外はまだ春遠い北海道ですが、チームは球春到来に向けて着々と準備を進めています。

吉川選手
＜5回　64球　打者17人　安打2　三振4　四死球0　失点・自責点0＞
「探り探りではありましたが、ゲームは作れたと思います。まだ時々抜けるボールがあったのは課題。ただ、スライダーやストレートでカウントを取れたのは良かった。しっかりと腕を振れる状態にして、ワンランク上にいけるようにしたい。開幕戦だけではなく、1試合1試合しっかり投げないといけないと思ってます」

Q.先発・吉川選手が5回2安打無失点
「状態が気になっていたけど、いい方向に行っているように思う」

Q.木佐貫選手も3回無失点でした
「木佐貫の良さが出た回と、らしさがなかった回の両方あった。これからどう上げていくか。先発系のピッチャーは点を取られていないけど、その中でいい面と悪い面が出ているかな」

Q.北選手がサヨナラ打
「外野は誰が見ても競争が激しくなっている中で結果を残してきた。北の良さはしっかりと振っていけること。間に落ちたというメッセージは受け取りました」

Q.中田選手に当たりが出ません
「こういうことはシーズンで何回かはある。それをすっと抜けてくれるかどうか。翔にとってはいいことだと思って取り組めるかかな。そこは注意して見ています」

Q.オープン戦は残り7試合
「そろそろ（途中交代のタイミングを）はじめから決めていくんじゃなくて、公式戦を意識した起用になっていくと思います」