北海道日本ハムファイターズの實松一成ファーム育成コーチ兼捕手が本日9月26日(木)、札幌市の球団事務所で現役引退会見を行いました。
實松選手は佐賀県出身で1999年に佐賀学園高校からドラフト1位で日本ハムファイターズに入団。2年目の2000年にプロ初出場し、翌年にはプロ初本塁打を放つなど頭角を現しました。2002年は開幕スタメンで出場するなど強肩と巧みなリードでファイターズ投手陣をけん引。2006年に読売ジャイアンツに移籍すると、優勝争いを繰り広げるチームを支えました。2018年には北海道日本ハムファイターズにファーム育成コーチ兼捕手として復帰。朝早く球場入りし、時間をかけて体のケアや準備を行う姿は若手選手のよきお手本となり、多くの選手から慕われていました。21年目の今シーズンは開幕1軍入りし、開幕2戦目には途中出場して相手の二盗を阻止して3年ぶりに盗塁刺を記録。堅実な守備と経験に裏打ちされたリードでプロ21年間で516試合に出場しました。
会見に臨んだ實松選手はまず「21年間、温かい声援を頂いたファンの皆様に感謝しかありません。本当にありがとうございました」とファンに思いを伝えました。そして、「ぼろぼろになるまで現役にこだわりたいと思っていたが、試合に出ると体に痛みが出て、なかなか回復という部分で・・・。これがぼろぼろということかなと。来年ユニホームを着てプレーすることが想像できなくなった」と引退を決断した胸の内を明かしました。最も印象深いプレーに東京ドームでのプロ初ホームランを挙げた後、「誇れるような成績を残すことはできませんでしたが、長い間、プロ野球界にいられたことを自信に、これから歩んでいきたい」と話しました。「いろいろな人と出会い、準備の仕方や野球に取り組む姿勢を学び、それを続けてきたから21年間できた」と、試合に向けた入念な準備を欠かさなかった實松選手らしくプロ人生を振り返るなど、晴れやかな表情で会見を終えました。
試合前には引退セレモニーが行われました。21年間のプロ生活を振り返る映像が流れた後、ドラフト同期入団の建山義紀さんと森本稀哲さんから花束が贈られ笑顔で受け取っていました。試合後には選手たちがサプライズで實松選手を胴上げし、「サネマツ」コールや応援歌がスタンドから響く中、ファンの声援に手を振りながら球場内を一周しました。最後は選手一人一人と握手、抱擁を交わし、万感の表情で21年戦い続けたグラウンドを後にしました。
1999年ドラフト1位で日本ハムファイターズに入団
春季キャンプでは早朝から入念に調整
2019年3月、オープン戦で三塁へ激走
2019年3月、開幕2戦目延長10回に盗塁を阻止
2019年9月、プロの道を歩み始めた鎌ヶ谷での
最終戦で花束を受け取り、感極まる
2019年9月、鎌ヶ谷最終戦後に両チームの選手から
胴上げをされる